まさゆきのブランディング研究

ブランディング論を研究するまさゆきのブログ

手書きフォントの老舗ブランド力

手書きフォントは今や魅力的なブランディング手法だ。

グラフィックソフトによる無機質なデザインとは異なり、歴史・伝統・文化を瞬時に感じられる。

そして、力強さや勢いなど、その字を書いた人の息遣い、こだわりまで感じられる。

「文字に魂が宿っている」といった感じだ。

 

現代のグラフィックソフトによるロゴは味気ない

現代のデザイン業界はあまりにも「グラフィックソフト一辺倒」過ぎる。

既成のフォントをそのまま使ったり、グラフィックソフトの編集機能を使って無理くり「手書き風」にしたり。

すべてパソコン上、グラフィックソフト上の作業で手っ取り早くやってしまおうとするあまり、無機質なロゴやデザインに終始してしまっているように思う。

 

それにより、本来味のあった老舗のロゴマークも、無機質な味気ないロゴに作り変えられてしまっている場合も多いように感じられる。

 

下の「文明堂」のフォントも最新のものは味気なく感じないだろうか?

やはりパソコンによる無機質な文字になってしまっている。

昔の手書き文字のほうが味があり、こだわりを感じるのは言うまでも無いだろう。

滲みやカスレ、歪みなど、パソコンでは表現できない手書きの味わいがなくなり、キレイに「デジタル化」されてしまうことで味気のない、無機質な文字になってしまう。

 

時代はデジタル社会になり、パソコンで簡単にロゴを作れる時代になった。

だからこそ、その時代の流れに乗らず、頑なに手書きの味わいを残し続ける老舗企業がよりキラリと輝くようになっていくのではないかと思う。

 

 

老舗企業は「歴史のもつ重さ」を今以上に認識してほしい

伝統ある「手書き商標」、「手書き屋号」、「手書き包装紙」などがあることは老舗企業によって何よりの資産だ。

それだけで「長い歴史と伝統がある」ということを容易に表現することができるのだから。

創業10年の和菓子屋と創業100年の和菓子屋であれば、創業100年の和菓子屋の和菓子を食べたくなるのが消費者というものだ。

 

だからこそ、その古い歴史を最大限活かしてほしい。

そして「古い歴史を最大限活かす方法」こそ、古いモノを変えずにそのまま使い続けることだ。

商標や屋号、包装紙、看板や店舗、内装に至るまで、最大限「古いものにこだわる」。

そうすることで消費者は自然と「伝統という価値」を感じることができる。

 

「歴史は価値」、「伝統は価値」。

変化のスピードが早い時代だからこそ、「変わらないことの価値」をしっかりと再発見してほしい。